標準化推進(移乗介助(装着型)、
見守り支援(介護施設型、在宅介護型))
Ⅰ.研究開発目的及び内容
移乗支援(装着型)、見守り支援(介護施設型、在宅介護型)の標準化については安全基準を主体として開発を進めるが性能基準やモジュール化についても視野に入れて検討を進めます。具体的にはコンソーシアムメンバーである、産業技術総合研究所、日本自動車研究所、労働安全衛生総合研究所、名古屋大学、日本福祉用具・生活支援用具協会、日本福祉用具評価センターなどの知見に基づく協力を得て、事業者、テクノエイド協会や有識者などと連携しながら移乗支援(装着型)、見守り支援(介護施設型、在宅介護型)のロボット介護機器の標準化基本戦略方針を策定するとともに国際標準化を進めます。装着型ロボットについては、ISO/TC299/WG2におけるサービスロボットの安全に関する標準化の審議状況を調査するとともに、ISO13482の個別パートとするための内容、方法等について検討を行い、ISO提案に向けた素案を検討します。
Ⅱ.実施内容
1.研究成果の概要
コンソーシアムメンバーである、産業技術総合研究所、日本自動車研究所、労働安全衛生総合研究所、名古屋大学、日本福祉用具・生活支援用具協会、日本福祉用具評価センターなどの知見に基づく協力を得て、事業者、テクノエイド協会や有識者などと連携しながら移乗支援(装着型)の国際標準化を進めると共に、見守り支援(介護施設型、在宅介護型)のロボット介護機器の標準化の基本方針について検討しました。
2.成果
装着型ロボットについては、平成27年度まで検討を行ってきた成果に基づき、JIS B 8446-2(生活支援ロボットの安全要求事項−第2部:低出力装着型身体アシストロボット)が平成28年4月に発行されました。また、ISO/TC299/WG2におけるISO13482の改訂に合わせた装着型を含むタイプ別パート制定の日本提案に向けて、JIS B 8446-2の英訳を行うと共に、ISO/TC299/WG2国際会議において、日本の考えるタイプ別パート制定の方針について説明を行いました。合わせて、関係するTC299内での標準化活動(用語、性能、リハビリテーションロボットの安全性等)を調査し、それらの状況について把握しました。更に、日本提案に向けた仲間作りのために、主要関係国を訪問し、詳細な提案内容の説明及び意見交換を行い、一定の理解を得ることができました。その結果、平成29年1月のISO/TC299/WG2ゲイザーズバーグ会議において、遅くともISO13482改訂が開始される平成31年1月までには、装着型ロボットを含むタイプ別パートの制定作業に着手することが決議されました。
見守り支援については、これまでの見守り機器の使用法、機能、使用センサ等の調査に基づき、現在市場にある製品及びこれから製品化される機器・システムに関係すると思われる標準化活動についての調査、検討を行った結果、IEC/TC79(Alarm and electronic security systems)やIEC – SyC (ALL(Ambient Assisted Living))が、関係する分野であることが分かりました。また、見守り支援機器標準化委員会を設置し、開発実用化メーカ及びユーザの参画を得て検討を行った結果、見守り支援機器(介護施設用)の技術的な要求事項を取りまとめました。