事業の概要

このページの内容は、経済産業省が公開している「ロボット介護機器開発・導入促進事業(基準策定・評価事業)研究基本計画」、および「ロボット介護機器開発・導入促進事業(開発補助事業)研究基本計画」を一部引用する形で作成されています。
背景

介護従事者の負担軽減の観点から、介護現場においてロボット技術の活用が強く期待されている一方で、ロボット介護機器の分野は、市場性が見えない、開発に特別の配慮が必要、ユーザの声が開発者に届きにくいという状況が、開発・製品化を妨げていると考えられる。
これらの障害を克服するため、経済産業省は、(1)現場のニーズを踏まえて重点分野を特定(ニーズ指向)、(2)ステージゲート方式で使い易さ向上とコスト低減を加速(安価に)、(3)現場に導入するための公的支援・制度面の手当て(大量に)をコンセプトとし、平成25年度より、下記事業内容からなる「ロボット介護機器開発・導入促進事業」を実施する。
既に、経済産業省と厚生労働省は「ロボット技術の介護利用における重点分野(平成24年11月)」を公表しており、本事業ではこの重点分野のロボット介護機器の開発・導入の支援を行うことにより、要介護者の自立促進や介護従事者の負担軽減を実現し、ロボット介護機器の新たな市場の創出をめざす。

事業内容
事業の構成

「ロボット介護機器開発・導入促進事業」は下記の2つの事業からなる。

  • 「ロボット技術の介護利用における重点分野(平成24年11月22日 経済産業省・厚生労働省公表)」(以下、「重点分野」という。)のロボット介護機器の開発・実用化を促進するため、製品化の意思を持つ企業等への開発補助を行う。(以下、「開発補助事業」といい、開発補助事業を実施する事業者を「補助事業者」という。)
  • 重点分野のロボット介護機器の実用化に不可欠の実証プロトコル確立のための研究や、機能や部品等のモジュール化や標準化の研究を実施する。(以下、「基準策定・評価事業」といい、基準策定・評価事業を実施する事業者を「基準策定・評価事業者」という。)

また、これらの事業の管理業務を支援する事業者(以下、「事業管理業務者」という)に、開発補助事業の管理業務を委託する。
なお、重点分野は、具体的には下記の5項目とするが、厚生労働省等との協議を経て見直しがなされる場合がある。

重点分野
移乗介助: ロボット技術を用いて介助者のパワーアシストを行う装着型の機器
移乗介助: ロボット技術を用いて介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器
移動支援: 高齢者等の外出をサポートし、荷物等を安全に運搬できるロボット技術を用いた歩行支援機器
排泄支援: 排泄物の処理にロボット技術を用いた設置位置の調整可能なトイレ
認知症の方の見守り: 介護施設において使用する、センサーや外部通信機能を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム
開発補助事業の進め方
(1)事業内容

補助事業者は、重点分野のロボット介護機器を開発する。開発に当たっては、経済産業省、事業管理業務者、基準策定・評価事業者の指導に従う。また、下記の事項を実施する。

  • 開発対象は、別紙1-1~5の重点分野の定義を満たす。
  • 開発計画を作成し、開発計画に沿って開発を進め、月例進捗報告を事業管理業務者へ提出する。
  • 中間審査会及びステージゲート審査会に参加する。
(2)事業運営管理

ロボット介護機器開発・導入促進事業の運営管理は下記の手段で行い、補助事業者は下記に定められた役割を果たす。

プロジェクトリーダー
基準策定・評価事業の研究開発責任者は、本事業全体を統括するプロジェクトリーダーを兼ねる。プロジェクトリーダーは事業の進捗状況や成果を把握し、事業実施体制、研究者の人選、予算配分等の業務を、経済産業省と協議して実施する。
補助事業者は、プロジェクトリーダー及び基準策定・評価事業者の指導に従い、事業を実施する。

月例進捗報告
補助事業者は、事業開始時に作成した開発計画と比較し、現在の開発進捗状況を、毎月事業管理業務者へ報告する。報告には、別紙2の様式を用いる。
基準策定・評価事業者はこの報告を確認し、進捗の遅れ等の異常が認められた場合には、補助事業者へ課題解決に向けた指導を行う。そのために、補助事業者からの相談には随時応えられる体制を構築する。

中間審査会(設計審査)
事業管理業務者は、補助事業者の開発状況の確認及び性能を評価するため、平成25年10月に重点分野のロボット介護機器の設計の審査会を開催する。基準策定・評価事業者は、この審査会までに審査基準を策定し、介護関係者及び経済産業省が指定する者と共に、審査・評価及び今後の開発への指導を行う。
なお、評価対象者には、補助事業者の他、ロボット介護機器開発パートナーシップ参加者のうち審査会への参加を希望する企業が含まれる。

ステージゲート審査会(試作品審査)
事業管理業務者は、補助事業者の開発状況の確認及び性能を評価するため、平成26年2月に重点分野のロボット介護機器の試作品の審査会を開催する。
基準策定・評価事業者は、この審査会までに審査基準を策定し、介護関係者及び経済産業省が指定する者と共に、審査・評価及び今後の開発への指導を行う。
補助事業者は、この本審査会までに試作品を完成させるよう、開発スケジュールを組む。
審査・評価の結果は、平成26年度に開発補助事業を継続する場合において、考慮される。

ロボット介護機器開発パートナーシップとの連携
平成24年11月26日に設置されたロボット介護機器開発パートナーシップは、重点分野のロボット介護機器の開発に意欲を有する者が情報交換を行う場となるよう運営する。
補助事業者は必ず本パートナーシップのメンバーとなり、経済産業省からの求めに応じて、本パートナーシップに対し、開発状況を共有する。
基準策定・評価事業者は、本パートナーシップに対し、研究開発状況を共有する。特に、中間審査会やステージゲート審査会の審査基準を本パートナーシップ参加者に事前に周知する。

開発情報の共有
補助事業者は、基準策定・評価事業者と個別に機密保持契約を結んだ上で、求めに応じて下記の情報を基準策定・評価事業者へ提供する。

  • 開発に関する情報(設計、リスクアセスメント書類を含む)
  • 安全性に関する情報
  • 実証試験に関する情報(実験データ、評価値を含む)
  • 開発中に生じた事故及びヒヤリハット事例に関する情報

以下の項目については、機器および個人が特定されない形で公表することがある。

  • 安全、ヒヤリハット事例に関する情報
  • 実証試験の評価値に関して統計処理を施した情報

ただし、これらの情報の中で、下記に関する情報は非公開とする。

  • 個人が特定される内容
  • 開発する機器の知財等に関する情報(安全上重大な問題を除く)
介護現場・病院における実証試験

介護現場・病院における実証試験の計画が、日本生活支援工学会等が実施する福祉用具に関する倫理審査を通過していることを条件として、補助事業者が介護現場・病院で実施する実証試験を経費として計上することを認める。
なお、平成25年度中に介護現場・病院における実証試験を実施することは、必須ではない。

事業実施期間

ロボット介護機器開発・導入促進事業の実施期間は、平成25年度から平成29年度とする。ただし、開発補助事業の期間は3年以内とし、重点分野毎の開始・終了年度は以下とする。なお、各年度末のステージゲート審査会の審査・評価の結果は、平成26年度に開発補助事業を継続する場合において、考慮される。

重点分野 開始年度 終了年度
移乗介助:ロボット技術を用いて介助者のパワーアシストを行う装着型の機器 平成25年度 平成27年度
移乗介助:ロボット技術を用いて介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器 平成25年度 平成27年度
移動支援:高齢者等の外出をサポートし、荷物等を安全に運搬できるロボット技術を用いた歩行支援機器 平成25年度 平成26年度
排泄支援:排泄物の処理にロボット技術を用いた設置位置の調整可能なトイレ 平成25年度 平成27年度
認知症の方の見守り:介護施設において使用する、センサーや外部通信機能を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム 平成25年度 平成26年度

基準策定・評価事業は平成25年度から5年間実施するが、各重点分野の開発補助事業終了時に、その分野における事業内容を完了させる。

その他
(1)成果の事業化

補助事業者は、開発成果を速やかに事業化すること。

(2)フォローアップ調査

経済産業省及び事業管理業務者は、開発期間終了後5年間、補助事業者がどのように開発成果を活用しているか、フォローアップ調査を行う。補助事業者は事業化の状況について報告しなければならない。

(3)基本計画の変更

経済産業省は、研究開発内容の妥当性を確保するため、社会・経済状況、内外の研究開発動向、政策動向、第三者の視点からの評価結果、研究開発費の確保状況、当該研究開発の進捗状況等を総合的に勘案し、達成目標、実施期間、研究開発体制等、基本計画を毎年必要に応じて見直すこととする。

(4)担当課

本計画の作成責任課は、製造産業局産業機械課である。