標準化推進(移乗介助(非装着型)、移動支援(屋内・屋外)、入浴支援及び排泄支援分野)

Ⅰ.研究開発目的及び内容

 移乗介助(非装着型)、移動支援(屋外)、移動支援(屋内)、入浴支援及び排泄支援の標準化のために、国際的な標準機関であるISOへ各分野のロボット介護機器の規格を提案することを目標としています。
これまでの4年間で積み上げてきた論議内容に加え、基準コンソで安全や効果性能等について研究してきた成果についても積極的に標準化原案つくりに活用します。

Ⅱ.実施内容
1.研究成果の概要

規格原案つくりに向かって専門家で構成する標準化委員会及び重点項目ごとの分科会を設けて検討を進めています。現在開発を進めているロボット介護機器は、既存の福祉用具にロボット機能を取り込んだ製品と位置付けられるので、規格としても福祉用具をベースにロボット化した場合の安全性を中心にして検討を行っています。

2.成果

 ロボット介護機器開発・促進事業において一般社団法人日本福祉用具・生活支援用具協会(以下「JASPA」と記す。)は、重点支援8 分野のうち、移動支援(屋内、屋外とも)、移動介助(非装着)、排泄支援及び入浴支援の5 分野に関して国際標準の作成を進めることを受託し、平成29 年度中にISO で福祉用具を担当するTC173 に提案する原案の準備を終えることを目標としました。
 平成25 年度に国内外の取り組みについて文献の収集と調査を開始し、情報ライブラリーともいうべくデータファイルを作成し現在も更新しています。平成26 年度からは標準化の柱となる安全性に対する要求の検討を重点分野ごとの分科会で論議し、各分科会で標準化の素案を作成して内容の具体化と肉付けを行いました。検討を効率よく行っていくために平成28 年度には各重点分野に共通する安全性を集約して検討する共通通則分科会を新たに設け、安全WG など基準コンソ内の他のWG で蓄積してきた知見をも標準化に取り込むことを図り、各分科会での検討を効率的に進めました。
 既存の福祉用具の延長上にありロボット技術を加え制御する機器の標準化は、福祉用具を対象とするTC173 へ提案することが最も合理的と判断し、それぞれの重点分野のロボット介護機器の基本機能を持っている既存の福祉機器のロボット機能版の検討を勧めましたISO。そうする中で、たまたま欧州医療指令の改訂(2017年)を機に一斉に既存の福祉機器のISO改訂作業が始まることになり、ロボット技術を織り込んだロボット介護機器を追加条項として提案することとし、平成29 年度に原案にまとめ提出しました。非装着型の移乗支援機器はリフトの機能を主たるパフォーマンスとする点が入浴支援機器と共通であり、リフト規格の改訂を検討するWG13 にロボット機器条項を追加する改訂案として提出し、屋内・屋外の移動支援ロボットを一本化してISO 11199「歩行補助器」のロボット機器条項として提案する予定です。排泄支援機器はISO17966「個人用衛生機器」の改訂に際してロボット機器条項の追加提案を行うことで準備を進めています。福祉用具の一般要求事項を新たに作成する目的で新設されたWG12 に、ロボット介護機器一般共通通則を織り込む提案も提出し、5 年間の標準化事業目の目的とした国際標準化案の提出を実現するところとなりました。ISOに取り上げられたのち、36か月以内にISOとして成立させることがルールであるため、今後は提案内容をISOとするべくフォローしていくことが課題となります。